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大田区が設置している標識

 大田区が設置している坂道の標識は、基本的に下の写真のような木製の柱状のものである。

大田A型 大田B型 大田C型
花抜坂(石川町・千束・雪谷方面)の標識 宮前坂(石川町・千束・雪谷方面)の標識 六郎坂(上池台・仲池上方面)の標識


「大田区の標識」の特徴


1. 共通する性格

 大田区の立てた標識は、上の写真にあるとおり、ABCの3種類が基本型だが、共通した特徴として次の点が挙げられる。

  (1)木製の角柱であること。

  (2)記述は、4面すべてに書かれており、
     @ 坂道に並行して進む際に向き合う面(2つの面)には、坂名が漢字で、さらに括弧内にひらがなでその読み方が書かれている。
     A 坂道に垂直した時に向き合う側面(1面)には、坂名の由来等が書かれている。
     B 残りもう1つの側面には、標識の設置年月及び「大田区」の文字。

  (3) 標識は、各坂ごとに1又は2本立てられている。設置位置は、坂上and/or坂下である。

2. A,B,C型の相違
 
 (1) A型とB/C型は、上記1(2)Aの側面における坂名の由来の記述の違いがある。
    A型が単に坂名の由来等を記すのに対して、B型とC型は上部に坂名、下部に坂名の由来等の説明を記している。

 (2) A/B型とC型の相違は、写真を見れば明らかなように、標識の材質にある。文字も彫られた形。
    C型はかなり新しいとの印象を受ける。ただし、標識に書かれた設置年月はA型やB型と同じ昭和六十年前後。
    C型はおそらく以前に立てられたA型又はB型の標識が古くなったのでこれに代えて立てられたものであろうと想像する。
    同じ坂道でも、坂上にB型、坂下にC型といった例(あるいはその逆)も存在している。(例:蝉坂、宮坂)


3. 例外

   大田区設置の標識はこの木柱タイプがほとんどであるが、例外として、八景坂(大森方面)の標識がある。
   これは、プレート式で、大田区教育委員会の設置である。大田区文化財としての標識のようだ。


標識の設置状況

  大田区の名前のある坂道については、網羅的に整理した資料があまりないのだが、大田区の小学生の郷土研究をまとめた『わたしたちの郷土研究』(大田区の図書館にある)の2000年版を見ると、大田区の坂道は49あると書かれている。本サイトで集めた大田区の坂道は50(2003年1月25日現在)であるが、この49の坂道に、池上本門寺の「おんな坂」(非常に新しい坂道)を加えたものである。
 この49の坂道には、「おいはぎ坂」を除き、すべての坂道に標識が立てられている。うち洗足坂のみが東京都の設置であり、残りは大田区の設置となる。このような点を見れば、大田区における標識の設置状況は非常によい、といえる。

(初稿:2003年1月25日)